- フリーランス医師はマイクロ法人を立てるべき?
- フリーランス医師って法人を設立するべきなの?
- 節税のためにマイクロ法人を立てた方が良いって聞いたけど本当?
- フリーランス医師がマイクロ法人を設立するメリット・デメリットを知りたい
この記事を読むことで、上記のような悩みや疑問を解決していく。
これからフリーランス医師として活動していきたいと考えている人は多いだろう。
しかしながら、フリーランス医師は病院・クリニックなどが経理作業を行ってくれないため、全て自分で責任を負うことになる。
常勤で働いている時は確定申告などは気にしないで業務にだけ専念することができたが、フリーランス医師は自分で税金関係も行わないと覚えておこう。
税金関係の業務を自分で行う際に、少しでも節税して支払う税金を抑えたいと考える人が大半だろう。
そこで本記事では、フリーランス医師が節税する際に役立つマイクロ法人について徹底解説した。マイクロ法人のメリット・デメリットだけでなく、マイクロ法人を立てる際のポイントもまとめている。
これからフリーランスとして活動したいと考えている医師や、既にフリーランス医師として活動していて少しでも支払う税金を抑えたいと考えている人は是非最後までご覧いただきたい。
フリーランス医師がマイクロ法人を立てるメリット
それでは、フリーランス医師がマイクロ法人を立てる際のメリットを解説していく。
これから紹介するメリットが良いと感じるのであれば、マイクロ法人を立てる価値があると言えるだろう。
経費の範囲が広がる
マイクロ法人を立てることで、経費の範囲を広げることができる。
例えば、個人事業主であれば、事業に関わった出費しか経費で落とすことができない。
しかしながら、マイクロ法人にしておけば、小規模企業共済などで節税対策を行うことができる。
他にも、個人事業主よりマイクロ法人の方が経費の金額が大きくても通りやすいケースもあるようだ。
これから経費を上手く利用して節税したいと考えているフリーランス医師は、マイクロ法人を立てておいて損はないと言えるだろう。
マイクロ法人は経費の幅が広がり、節税が行いやすくなる。
社会的な信用が上がる
法人を設立しておくことで、社会的な信用が上がり仕事を受けやすくなるだけでなく、資金調達なども行いやすくなる。
フリーランスは世間的に評価がそこまで高くなく、信頼性は低い。実際に、会社員とフリーランスで同じ収入だとしても、会社員の方がローンなどの審査に通りやすい傾向がある。
それだけでなく、フリーランスは責任感のない人も多いため、仕事を発注することに躊躇するクライアントも一定数は存在するようだ。
社会的な信用を上げたいと考えているのであれば、法人は設立しておいて損はないと言えるだろう。
社会的な信用を上げたいのであれば、マイクロ法人を設立するのがおすすめ。
社会保険を安くできる
マイクロ法人を設立することで、社会保険を大幅に下げることができる。
例えば、個人事業主で1000万円を稼いでいると、1000万円の収入から社会保険を支払わないといけないため、非常に大きな保険料が発生する。
しかしながら、マイクロ法人を立てて役員報酬を100万円に設定しておくと、100万円の収入から社会保険料を支払うことになるため、保険料を大きく抑えることが可能だ。
社会保険料は収入によって変わるため、できるだけ安く保険料を抑えたいのであれば、収入も抑えなければいけない。
役員報酬で収入を調整できるマイクロ法人は、これから稼ぎたいと考えているフリーランス医師は設立しておくべきだと言えるだろう。
収入を調整できるマイクロ法人は、所得税や保険料の支払いを減らすことができる。
フリーランス医師がマイクロ法人を立てるデメリット
先ほどはフリーランス医師がマイクロ法人を立てるメリットを紹介したが、デメリットもあるため解説しておく。
メリット・デメリットをしっかりと把握して、マイクロ法人を立てるべきなのか検討して頂きたい。
会社設立に初期費用が必要になる
会社を設立する際に、初期費用が必要になるのがフリーランス医師の大きなデメリットと言える。
- 定款用収入印紙代
- 定款の認証手数料
- 定款の謄本手数料
- 登録免許税
会社を設立する際には、上記の手数料を支払わなければならない。
株式会社の場合は平均20万~30万円くらいの費用が必要で、合同会社の場合は6万円~10万円程度の初期費用が必要になる。
これからフリーランス医師として活動するのであれば、基本的には初期費用の安い合同会社の設立がおすすめだ。
株式会社と合同会社に大きな違いはなく、信頼性が株式会社の方があるくらいになっている。
合同会社でも十分に節税対策を行うことができるため、フリーランス医師の中でマイクロ法人を設立したいと考えている人は、合同会社を選択しよう。
合同会社は6万円程度で設立できるため、そこまで大きな出費をしないで節税対策ができるようになる。
会社設立の準備が面倒
会社を設立する際には様々な書類を提出しなければいけなくなるため、準備がかなり面倒になる。
実際に、初めて会社を設立する人の場合だと、準備だけで数日~数週間を要するケースは少なくない。
これから会社を設立するのであれば、代行業者に外注するのも選択肢の1つである。
代行業者に会社設立の準備を代行してもらうことで、自分は事業にだけ専念することが可能だ。
もちろん外注費は発生するが、経費で落とすことができるだけでなく、ミスをしないで素早く法人を立てられるため、外注する価値は十分にあると言えるだろう。
特に合同会社の設立であれば、株式会社より低単価で代行業者を見つけることができるため、フリーランス医師がマイクロ法人を立てるのであれば外注をおすすめする。
会社設立に時間が取られて本業に影響が出るのであれば、外注した方が良い。
経理関係の作業が複雑になる
法人にすることで確定申告などの際に提出しなければいけない書類が増えるだけでなく、数字のミスが許されないため経理関係の業務が複雑になる。
実際に、意図してなくて数字が間違えていた場合も、脱税と判断されて罰金を支払わなければいけなくなるケースも少なくない。
また、経費として計上していたものが、数年後に経費として算入できないと判断された罰金となるケースも存在する。
ミスなく確実に税金を納めたいと考えているのであれば、税理士に経理業務の代行依頼をしてもらうべきだろう。
税理士であれば、何が経費として計上できるのか、どのように確定申告を行えば良いのか把握しているため、将来的に発生する可能性のある税金トラブルを未然に防ぐことが可能だ。
もちろん経理関係の知識を持っているのであれば自分で業務を行っても問題ないが、その時間を仕事に使った方が利益につなげることができるだろう。
これからフリーランス医師になるのであれば、基本的に経理関係は税理士に外注することをおすすめする。
経理関係は専門家の知識がないとミスが起きやすいため、税理士に依頼するのも選択肢の1つだ。
フリーランス医師がマイクロ法人を立てた際のポイント
今までの記事を読んで、マイクロ法人を立てた方が良いと考えているフリーランス医師も多いだろう。
そこで、フリーランス医師がマイクロ法人を立てた際にやっておくべきことをまとめている。
これから紹介することをやっておくことで、マイクロ法人を設立したメリットを十分に活用することが可能だ。
小規模企業共済を利用する
小規模企業共済は、節税対策を行う上で必須となる制度になる。
掛金の上限は7万円で、掛けた金額は全て控除されるため、税金対策を行うことが可能だ。
掛けた金額は将来的に退職金のような形で戻ってくるため、現時点の節税対策のために利用するのは非常におすすめの選択肢だと言えるだろう。
もちろん元本割れのリスクもあるが、どうせ税金で持っていかれるのであれば、将来のために小規模企業共済は利用しておくことをおすすめする。
小規模企業共済は、節税のために絶対に利用するべきサービス。個人事業主ではできないため、マイクロ法人を作らないといけない。
家族で所得を分散する
家族の中で所得を分散できる人が存在するのであれば、積極的に分散しておくことをおすすめする。
例えば、アルバイトをやっていない高校生の子供がいるのであれば、扶養内にしておくにしても100万円の節税を行うことが可能だ。
奥さんが仕事をしていない専業主婦の場合も、扶養内にしておくにしても100万円は節税することができる。
累進課税で税率が高いのであれば、奥さんに半分の給料を渡しておいて同じ収入で税率を抑えることも可能だ。
家族で上手く所得分散を行うことができれば、税金の支払いを大きく抑えられる。
健康保険を継続する
これからフリーランスになる医師は、健康保険に継続することをお勧めする。
国民保険は保険の全額を自己負担しなければいけないだけでなく、扶養という概念もないため家族全員が保険料を支払わなければならない。
国民保険より健康保険の方が保険料を抑えることができるため、常勤で働いていた人は健康保険に継続しておいた方が良いだろう。
しかしながら、健康保険は2年しか継続できないため、2年後もフリーランス医師として活動するのであれば、国民保険に加入しなければいけなくなると覚えておいて頂きたい。
フリーランスになって間もない場合は、前職の健康保険を継続することをおすすめする。
経費にできるものを把握する
これからフリーランス医師として活動するのであれば、節税するためにどのような出費を経費にできるのか把握しておくことをおすすめする。
フリーランス医師の中には、経費などが分からないで、節税できたにもかかわらず多額の税金を支払っている人も少なくない。
経費を上手く活用することができれば、支払う税金を大きく削減することが可能だ。
注意点としては、経費で落とすことができないにもかかわらず、経費として計上して脱税状態になってしまう人も存在する。
もし脱税状態になっていて税務署に見つかってしまうと、多額の罰金を請求される可能性も十分に考えられるだろう。
これから節税したいと考えているのであれば、どのような出費であれば経費で落とすことが可能なのか把握しておいて頂きたい。
フリーランス医師が落とせる経費については、下記記事をご覧いただきたい。
(近日公開)
経費をうまく使えば、税金を大きく抑えることができる。
勤務医以外の収入を確保する
フリーランス医師がマイクロ法人を立てる際に大きな勘違いをしているのが、勤務医として得た給与所得を事業・雑所得として計上して経費を利用しようとする人がいる。
勤務医の場合は法律で給与所得と決められているため、事業・雑所得として計上することができない。
経費を利用できるのは事業・雑所得だけのため、勤務だけの収入だとマイクロ法人を立てることができない。
そのため、マイクロ法人を立てるのであれば、何かしらの事業・雑所得を確保するようにして頂きたい。
- 医学部専門の塾の講師
- セミナーの講演
- 副業
上記であれば、事業・雑所得として判断されるため、マイクロ法人を立てて節税することが可能だ。
フリーランス医師におすすめの副業に関しては、下記記事をご覧いただきたい。
これからフリーランス医師になるのであれば、医師以外の業務で収入を得る必要がある。
フリーランス医師がマイクロ法人の設立で悩んだら?
今までの記事を読んで、マイクロ法人を設立したいと考えているフリーランス医師も多いだろう。
しかしながら、どのようにして法人を設立すれば良いのか分からない人も多いはずだ。また、法人を設立する準備に時間を使えないという人もいるだろう。
もしマイクロ法人の設立で悩んでいるのであれば、外注することをお勧めする。
法人設立の代行を依頼できる業種は複数あるが、基本的には税理士への外注がおすすめだ。
税理士に会社の設立を代行してもらうことで、税金のアドバイスを受けることができる。
会社設立以降も、税金対策などで不安を抱いているのであれば、様々な相談ができる税理士を利用しておいた方が良いだろう。
税理士に依頼することで、会社の設立から節税対策まで全て代行してもらえる。
まとめ
この記事では、フリーランスがマイクロ法人を立てるべきなのかという疑問に対して解説してきた。
これから節税対策をして少しでも支払う税金を抑えたいと考えている医師は、マイクロ法人を立てた方が良いだろう。
マイクロ法人を立てるのであれば、費用がそこまで掛からない「合同会社」をおすすめする。
しかしながら、会社を建てるのは準備が面倒なだけでなく、マイクロ法人を立てても節税の知識がなければ意味がない。
税理士を利用することで会社を建てる作業を代行してくれたり、節税に関するアドバイスを受けられるなどのメリットも多い。
これからフリーランス医師として活動するなら、税理士を利用するのは選択肢の1つと言えるだろう。
現在は無料で相談に乗ってくれる税理士も多いため、不安なことがあるなら一度お問い合わせしてみることをおすすめする。