医師の働き方

専門医なしで医局を辞めて大丈夫?元フリーランス医師が解説

医局に努めていると理不尽なことが多く、医局を辞めたいと考える人も少なくない。一般的には専門医を取得した後に医局を辞めるケースか多いだろう。しかし専門医取得のメリットが少ないと考えられるケースもあり、専門医を取らずして医局を離れることを検討されるレースもあるだろう。

専門医を取るべきか?専門医取得のメリット・デメリットを解説

この記事では専門医なしで医局を辞めることに関して考えていく。

専門医を取得するべきか今一度考えるべし

医局を辞めたい、というと大体の先輩からのアドバイスは

先輩医師

専門医ぐらいは取っておいた方がいいんじゃない?

というものである。先輩医師はあなたのことを想ってこう言ってくれていることだろう。

一般的には医局を辞める場合は専門医を取ってから辞めるのが一般的である。ある程度、最低限度の修行が完了した証となり、医局を辞めても生きていけるという後ろ盾になるだろう。

しかし現実問題として今の日本の医療制度は専門医が無くてはならない状況はほとんどない。正直、医療行為をするだけであれば専門医は要らないだろう。専門医を持っていても更新の手間が大変なため、専門医を更新しないという年配ドクターもいるぐらいだ。

今後あなたがどう生きていくかにもよるが、場合によっては専門医が実は不要なケースが多い。

専門医取得には多くの時間とお金がかかる。理不尽な低賃金で長く働かされるようなケースもあるだろう。専門医取得後も維持にかかる時間とコストも甘く見てはいけない。

自分の進む道を考えた上で専門医取得が本当に必要か?を今一度考えるべきである。

専門医が無くても医師が食いっぱぐれることはない

専門医を取ることが一つの安心材料とされがちである。

不安な医師

専門医が無いと医師としてやっていけないのではないか?

と思う医師が多いのではないか。

しかし、実際には専門医を持っていなくても十分に働き口があるのが今の日本である。

【保存版】フリーランス医師の年収は?元フリーランス医師が解説 

この記事では専門医を持たない医師がどれだけ稼げるかを検証している。実際に専門性の求められない医師の仕事は沢山あり、医師として普通に仕事をこなす分には専門医は不要なことが多い。

医師としての仕事があるか?という部分に関しては、専門医の有無は関係はないのである。

専門医を取らなければならないという固定観念に縛られている方がいるとすれば、それは間違いであると言いたい。重要なのは、専門医を取らなければならない人はどんな人なのか、専門医が本当に必要なのかをよくよく考えることである。

実際に私は専門医を持たずに十分仕事にありつけてきた。周りにも専門医を持たずに自由に生活している医師は沢山いる。けしてすべての医師が専門医取る必要はない。

専門医なしの問題点とは何か

専門医を持たずしても生活していけることはわかった。しかし、専門医を持たないことによる問題点について把握しておく必要はある。

悩める医師

専門医なしの問題点とは?

それはズバリ、初見の相手に十分な医療スキルを示すことができない点である。

これは医師を雇う立場になってみればよくわかる。

全く知らない医師の応募が来たとして、その医師が仕事をするのに十分なスキルがあるかどうか?を判断する材料は専門医の有無でしかない。専門医を持っていない医師からの応募があると、なぜ専門医を持っていないのか?と疑問に思われることがある。それ相応の理由があれば良いのだが、それをきちんと説明する必要がでてくる。

実際に専門医を持つ医師と、専門医を持たない医師と2つの応募が来たら、前者を採用されることが多いだろう。実際に麻酔科医のスポット募集の中には専門医以上などの縛りがあることも珍しくない。

上記はアネナビというエムスリーの麻酔科医専用サイトの案件であるが、この案件には「専門医以上」という文言がある。現状さほど多くはないが、美容クリニックの麻酔の案件であればこのような制限があることが多いように感じる。また、専門医ありは日給12万円、専門医なしは日給10万円、などと給与を分けている施設もある。

全体を見渡すとこのような案件は多くはないが、このような所もあるということを認識しておくとよい。

一方で、知人のところで働く場合などであれば専門医は必要ではない。ご自身で開業される場合なども、専門医は必須ではない。専門医の有無を気にしている患者はほとんどいない。そもそも専門医制度というものがあると知っている人の方が少ないだろう。

本日のまとめ

専門医はすべての医師に必要なわけではない。

専門医がなくても可能な医師の仕事は沢山ある。

自分の将来の働き方を考えた上で本当に専門医が必要なのかを今一度よく考えよう。