医師の働き方

フリーランス医師のデメリット5選。元フリーランス医師が実体験をもとに解説

わたしはかつて3年間ほどフリ―ランス医師として生計を立てていた。フリーランスは良い面も沢山ある一方で、悪い面もある。今回はとくに後者の悪い面にフォーカスし、フリーランス医師になって不便だと感じたことをこの記事にまとめた。

Dr.G

医局を辞めてフリーランスになろうと考えている先生方の参考になれば幸いです。

スポット中心の場合は収入が不安定

フリーランスの方の中にはスポットのみで仕事を組んでいる場合もあるだろう。その場合は仕事案件の確保にかなり世話を焼くことになる。

シフトを埋めるためにスポット案件を洗い出していくが、良い案件は足が早く争奪戦になるため、残っている案件にはあまり旨味がなかったりする。数日後の案件など直近の場合は報酬がかなり高くなることがあるので、そこに賭けるというのも一つの戦略であるが、最悪その日の募集が無ければ仕事が無いということになる。

さらに最近では都内ではすぐにドクターがみつかるためか、直近案件でも全然値段が上がらないという傾向が見て取れる。

スポットのみで仕事を組むのは不可能ではないが、不安定になりがちなので、基本的には定期非常勤を中心に組んでいくことになるだろう。

Dr.G

週3定期非常勤+適宜週1スポットなどがバランスが良いです

定期非常勤先もいつ切られるかわからない

定期非常勤が安定するが、やはり非常勤という立場上、いつ契約が切られるかわからない状態である。常勤の雇用が決まったり、体制が変わったりなどで、非常勤先が切られてしまうケースは珍しくない。

ただ現状、医師求人市場が売り手市場であることには変わりないので、切られてしまったとしてもすぐに別の案件が見つかるはずである。

いつ切られるかわからないが、切られたとしても問題なし。

これが今のフリーランス医師を取り巻く環境である。

医師過剰の時代が来るとは言われているが、まだまだ先の話。我々が現役時代は仕事が見つからないということはないだろう。私自身も定期非常勤先が病院都合で切られてしまったことは過去に1度だけあるが、すぐに代わりの案件を見つけることができた。

国民年金保険の負担が重く、内容も社会保険に劣る

常勤先では社会保険に加入しており、かなり優秀な保険に入っていたことだろう。意外と知られていないが、社会保険はかなり手厚い保険である。働けなくなった場合の保険、失業保険、などかなり厚くリスクヘッジされている。

フリーランス医師の場合はおそらく、国民年金保険(通称:コクホ)に加入することになると思うが、コクホの場合でもある程度の保証はあるが、その内容は社会保険に劣る。

そして社会保険は保険料が事業者と雇用者と折半で負担するのに対して、国民年金保険は本人のみの負担となる。さらにコクホの保険料は年収に応じて高くなるが、医師の場合はほぼ全員が最高額の負担となってしまうだろう。

月10万円ぐらいはかかるだろう。保険額が高く、内容社会保険より劣る。

これはフリーランス医師のデメリットと考えられる。

通勤のストレス

常勤先の場合は毎日決まった職場に行くこととなるが、フリーランスの場合は毎日違った勤務地ということが多い。月曜日は西へ、火曜日は東へ、水曜日は北へ・・・通勤のストレスはかなり感じることが多いのではないか。

私自身もフリーランス時代は毎日片道1時間~1.5時間 程度かけて色々な場所に勤務していたため、通勤はかなり大変だった印象である。

ただこれは、やり方によっては旅行のつもりで遠い勤務地に行くというのであれば、ストレス解消になることもある。

北海道や沖縄といった観光地での案件を探すというのもアリだ。

なお、観光地案件は医師バイトドットコムで探すと効率が良いだろう。

フリーランス医師に対する風当たり

フリーランス医師を毛嫌いするようなドクターも一定数いる。特に年配の先生に多い印象だ。

常勤先で常に気の合わない上司と仕事をしなければならないような状況に比べるとまだマシだと考えるが、こういった考えの人もいるということも知っておくと良い。

これに関しては価値観の合わない人とは関わらない、これに尽きる。

非常勤の場合は常勤よりも特定の人と接する機会は少なくなるので、こういった人間関係のストレスも少ないはずである。

以上、フリーランス医師のデメリット5つ紹介した。フリーランス医師としての働き方を検討している方の参考になれば幸いである。