医局をやめる方法

【医師必見】何年目で医局を辞める?ベストなタイミングを解説します。

医局を辞めたいと考えている医師は多い。一方で最低〇〇年勤めてからと考えている真面目な先生も多い。私は入局3年目で専門医を取らずに医局を辞めたが、周りからは

先輩医師

最低でも専門医はとってからの方が良い

ひと世代前の医師

最低10年はやらないと医者として一人前とは言えない

なとど様々な声が聞こえてくる。医局を辞める時期について真剣に考えている先生は多いだろう。そのような先生方の参考になれば嬉しい。

筆者が考えるベストな年数

私の結論から言うと、専門医取得後にすぐに辞めるのが一番バランスが取れていると考えている。専門医が取れる年数は様々なので、一概には言えないが大体の科で5年前後程度だと思う。

最低限度の診療スキルがつくのは個人差があるので、個々の能力による部分が多い。何年経ってもできない人はできないし、半年程度でデキるようになる人だっている。

自分の医療スキルに自信があり、今の医療技術で生きていける確信できていれば、いつ辞めても構わないだろう。

ここで専門医取得しておくと、自分の中だけでなく、他人から見ても「最低限度の医療スキル」が身についたという証明になる。このような外的な証明は結構便利だ。

専門医というのは現在の医療制度上は価値のある資格とは言いにくいので、取得するか悩んでいる方が多いだろう。しかしこのように外的に最低限度の医療スキルを示すことができる点が専門医の最大のメリットといえる。

なお、私は専門医取得前に医局を離れたが、けして後悔はしていない。自分の将来の道を考えて専門医は不要と結論付けたので専門医を取らなかった。

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専門医前に医局を辞める(~5年以下)

専門医を取る前に医局を辞めることを考えている人も多いだろう。私もそのパターンであった。これに関しては自分が将来、何をやりたいのかによって決める必要がある。そのうえで専門医が要らないと判断できれば専門医を取る前に辞めても良いだろう

  • 十分な医療スキルが身についたから
  • フリーランス医としてバイトだけで生活するから
  • 転科するから

など様々な理由がある。

専門医取得前に医局を辞めるメリット

主に時間お金の面でメリットが大きいだろう。医局に縛られることがなくなるので、雑用や時間外労働などから解放され、低賃金でこき使われることもなくなる。医局を辞めると、いかにいままで時間に余裕がなかったのかがよくわかるだろう。余った時間で新しいやりたいことにチャレンジしても良い。

なお、専門医がなくても今の日本には医師として沢山の仕事がある。食いっぱぐれることはない。

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専門医取得前に医局を辞めるデメリット

デメリットとしては、自分が最低限の診療ができる医師であることを外的に示すものが無いというところである。勤める勤務先を見つける際に、ここがネックになることがまれにある。特に東京都内など、医師が沢山いるところであれば、あなた以外にも沢山の医師がいるので、専門医を持っていないあなたよりも、専門医を持っている医師を採用するのが普通だろう。

最近では専門医以上という募集を見かけることも珍しくない。

しかし、専門医がなければ仕事が無いかといったらそんなことはない。

医師の数が余っている東京都のような地域であればこのようなケースもあるが、都内から電車で30分から60分程度離れた千葉県・埼玉県・神奈川県などであれば、このような強気な求人はかなり稀である。

専門医取得後に医局を辞める(5~10年)

特にこれといった自分のやりたいことがあるわけでもなく、無難に医者を続けながらQOLアップを目指したいと考えているならば、専門医取得後に医局を辞めるのがベストだ。

専門医

実際に専門医取得後に医局を辞めようと考えている医師は多い。

専門医取得後に医局を辞めるのが、一番医者として無難に過ごせるというのが大きい。この「無難さ」というのはこれまで、医学部合格後に進級→医師国家試験合格→初期研修医修了という引かれたレールの上を走ってきた多くのドクターにとってしっくりくるのではないか。

前述したが、専門医はとくに社会的に大きな意味のある資格ではないが、外的には便利な資格である。専門医の有無を意識している患者は少ないが、医師を雇用する立場の人間は意識するポイントである。

また、専門性の高さは少なからず医師の年収を上げる。麻酔科医の中ではフリーランスで年収5,000万円稼ぐようなドクターも珍しくない。筆者は最大で年収1億円超えという麻酔科医に会ったことまである。

ある程度、出世してから医局を辞める(10年以上)

もしも医局に属していることが苦痛でないのならば、10年以上務めるというのは非常に良い事だ。

10年以上務めると下を育てる立場になっており、医局に貢献している立場といえる。組織を管理するような立場を任せられることも多いだろう。関連病院の多い医局では、地域の病院の診療部長も経験していることだろう。

医局勤務医

医師の経験も十分、医局への貢献も十分、患者にとっても良い
まさに三方よしである

唯一のデメリットとしては医局に対して、あなたの時間とお金を沢山捧げてしまっていることだ。医局に長く務めることは多くの自己犠牲が伴う。それがあなたにとって苦痛でないのであるならば、是非医局に長く務めるといい。

私は医師である父から

医者は10年やって一人前だ。それまで余計なことは考えず、修行しろ。

と言われてきた。

私はその考え方は昔の時代の話で、今の時代は違うと考えている。

今は働き方改革で、世の中の労働環境が見直されている時代である。医師の働き方すら改善しようとされる動きがある。医師も人間である。医師も一人の労働者としての権利を主張できる立場だ。無給医に代表されるようなブラック労働を強いられる環境下で苦しむドクター減らしたい、そう考えている。

これから長い年月をかけて今の医局の環境も変化していくだろう。しかし、それが我々の年代の医師が生きている間に改善されるとは限らない。医療業界の働き方改革の流れは世の中よりも遅い傾向にある。

少しでも今の労働環境を疑問に感じているのであればぜひ一度、先生自身の市場価値を確かめてみるのも良いだろう。

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