解釈モデル、恐るべし。

解釈モデルとは。

ある主訴をもって病院に来院した患者自身が、

自分自身の症状に関して患者が考える病気の原因、病態、

経過、病気の影響、望む治療法、期待感などを指す。

 

・・・と書くと色々と難しいので、

ここでは患者自身の自己診断ということにしておく。

 

自分が当直で救急外来をやっているときは、

極力、聞くように心がけているのがこの患者の解釈モデルであるが、

時にこれが強烈な威力を持つことがある。

 

・・・というか、

俺のようなへっぽこ研修医のimpressionよりも、

よっぽど患者の自己診断の方が冴えている。

そしてそれに応えることで患者も納得し、

満足して帰っていただけるといったわけだ。

 

case 1)

特に既往歴のない若い女性が、眩暈左薬指1本の痺れを主訴に来院。

とても元気にピンピン歩いて来た。

こちとらクソ忙しい夜間の当直なんじゃい!

・・・とあまりの元気っぷりにイラっとしたぐらいだった。

 

ちょこちょこと所見をとるも、特に神経学的異常所見もなく。

本人曰く「脳梗塞が心配です」

 

いや~そりゃあ心配だけどさぁ~

何の病気も持ってなくって、そんな若いのにさぁ~

 

明らかに文句を言いたげなナースの目線を感じる中、

ひっそりと頭部 MRI をオーダーしてみると・・・

 

なんとビンゴ!!

脳梗塞の場所も左半身の感覚を司る領域だったので、

左薬指の痺れをしっかりと説明できてしまう。

恐るべし。

 

考察として追加しておくが、

中枢性めまいは末梢性めまいに比べて症状が軽いのが特徴らしい。

より派手に、より重症に見えるほうが、

実は軽症のことが多いようだ。

 

 

Case 2)

これもまた若い女性が元気そうに歩いて夜に来院。

ここ1週間ぐらい右手に力が入りづらいような気がしますと。

今日は特にひどくなったんで来ましたと。

 

所見では特に筋力低下なし。

内心「ホントかねぇ~?気のせいじゃない?」と、

自分の中でプシコ(≒メンヘラー)認定が下りかけていた。

 

追加で右足はどうかと質問してみる。

「言われてみると、確かに力が入りづらいような気もします」と。

 

追加で解釈モデルを聞いてみる。

3ヶ月前に頭を打っているんで、その影響じゃないかって思うんです。」

 

うーん確かに否定せざるを得ないんだけどっと

CT scanへ、、、

 

こりゃまたビンゴ!!

左慢性硬膜下血腫。大正解ですよ、あなた。

しかもご本人、慢性硬膜下血腫については全くご存知無い様子。

それなのに3ヶ月前の外傷のせいではと思うのは凄い。

恐るべし。

 

 

Case 3)

60歳ぐらいの男性が体調不良、ふらつきを主訴に深夜に来院。

普通に歩いて入ってきた。でも本人曰くなんかおかしいと。

解釈モデル→「脳じゃないか」と。

頭部MRIをとってみれば、がっつりと小脳梗塞、脳幹部梗塞。

衝撃的だった。

 

 

上のあげた他にも、

自分で尿管結石を診断してやってくる人もいるし、

肺炎を診断してやってくる人もいる。

これまで何度もイレウスやってる人はイレウスですと断言して来院するし、

喘息患者は喘息発作だと言って来院してくる。

 

少なくともパッと見の診断力に関しては、

初期研修医よりも遥かに優秀なのが患者様自身。

・・・というわけで、患者の満足度upも兼ねて

解釈モデルを尋ねるのはとても重要であると感じる、

今日この頃であった。

 

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